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『畳を新しく変えたら、古いものは自分で処分しないといけないの?』
『畳って、何ゴミになるの?』
畳の部屋には独特の良さがありますが、畳は一度入れたら永遠に使えるわけではなく、古くなったら取り換えなくてはなりません。そのときに問題になるのが畳の処分です。
畳はそれほど重いわけではありませんが、ひとりで運ぶには不便ですし、ゴミ集積場では存在感が出る大きさです。正しい処分方法を知らないと困ることになるかもしれません。
今回は、なるべくラクにできる畳の処分方法について、費用などと合わせて紹介していきます。
畳を処分するタイミングは、「日焼けした部分が目立つようになったり」「擦り切れた箇所が多くなった時」でしょう。
畳を処分する時期は生活環境によっても異なりますが、数年に1度表替えすることで、10年以上使用できることがほとんどです。
1年に1度は畳を立てるなどしてメンテナンスをしておくことで、寿命を延ばすことも可能でしょう。
ただ子供やペットなどが遊んで畳が傷がついてしまった場合などは、使用期間に関わらず交換が必要なこともあります。
傷が原因で交換や修理をする際には、近所にある畳屋に依頼して交換することが一般的です。
畳を自治体のゴミとして処分すること自体が珍しく、サイズ的にも畳は粗大ゴミになるので、処分費用が発生します。
こうした理由から多少高額になっても専門の業者に依頼するか、畳の量が多い場合は安くすむこともある不用品回収がオススメです。
また、要らない畳は売却できるのか気になる方もいると思いますで詳しく紹介します。
畳をただゴミに出すのではもったいない、と考える方もいるかもしれません。最近では、不用品はすぐに捨てるのではなく、買取をしてもらったり、オークションサイトを使って自分で売却をするのが当たり前になっています。
畳でも同じことができるのでしょうか。
結論から言うと、畳を買い取ってもらうことはかなり難しいです。理由は以下の通りです。
畳の表面の寿命は10年程度と言われています。畳の使い方や部屋の状況にもよりますが、畳の表面は長い間使っていると擦り切れて、カスが出たり足が引っかかったりして、気持ちよく使えません。
そして、日本全国、畳のサイズは同じではありません。実は畳には以下のようなサイズのバリエーションがあります。関東と関西、そして中京地域では畳のサイズが違いますし、団地でも戸建てとは違うサイズの畳が使われているのです。
同じ一畳の畳でも、これだけサイズが違います。たとえ新品同様でも買い取って販売するのは難しいですね。
ただし、本当に新品の畳なら、買取をしてくれる店があるかもしれません。買取専門店の中には住宅建材を買い取ると明言している店もあります。
査定料が無料の店を選んで出張買取を利用すれば、自分で畳を運ぶ手間もかからないため、ラクに畳が処分できるかもしれません。
昔ながらの畳は自然素材でできているイメージがありますが、最近の畳は進化しており、さまざまな素材で作られています。それを知っておかないと、ゴミに出すときに迷ってしまうし、最悪回収を断られるかもしれません。
一口に畳の材質といいますが、いくつかのパーツからできているのが畳です。このパーツにより使われる素材も違いますから、ここではパーツと素材の両方を解説します。
畳は以下のような構造です。どの部分にも最近はいろいろな材質が使われるようになりました。
畳は大きくわけると天然素材と樹脂製のものに分けられます。この素材の違いで処分方法も違ってくるので注意が必要です。天然素材の代表はやはりい草でしょう。
先程も説明した通り、畳表の材質として今でも多く使われているのはい草という植物の茎の部分です。
い草の茎には室内の湿気や臭い、有害物質などを吸着する性質があります。畳が日本人に愛用されてきたのは、このように優れた性質を持っているからです。
い草の代わりにポリプロピレンを使った畳です。畳にカビが生える、日焼けするなど、従来の畳の弱点がありません。このため耐久性があり、従来の畳ではしない方が良いとされる水拭きができるなど、使い勝手が良いというメリットがあります。
一見天然素材に見える畳にも樹脂製のものがあるため、注意が必要です。
和紙畳はい草の代わりに樹脂加工を施した和紙を使っています。樹脂加工をしているため、処分するときは可燃ゴミにならない可能性があります。
畳床があるから、私たちは安心して畳の上を歩いたり座ったりできます。この畳床にも最近はさまざまな材質が使われています。
昔から畳床に使われていたのは藁です。藁とはイネ科の植物を乾燥させたもので、主に茎の部分が使われています。
畳床は藁を重ねて圧縮して、厚さ5cm程度に加工したものです。藁だけで作られた畳床は、弾力性が良く、歩いたときの感触が良いことでも知られています。
発泡スチロールを藁で挟んだ畳床のことで、藁を使う量が少ないため、藁だけの畳床よりも価格が安いです。発泡スチロールには、軽くて湿気に強く、その上断熱性に優れているという特徴があります。
藁を使っているため、上を歩いたときの感触も藁だけの畳床と変わりません。
藁を使わず、発泡スチロールや木材チップだけを使った畳床のことです。このため、上記2つの畳床に比べると、歩いたときの感触は固めです。しかし、軽くて断熱性に優れ、ダニの心配がない上、価格も安いため使いやすい畳床と言えるでしょう。
畳の縁には、畳本体を保護する役割があります。かつては蝋引きした綿や麻の糸で作られていました。糸に蠟をつけることを蝋引きといいますが、これをすることで糸が丈夫になり、緩まないと言います。畳を保護するための先人の知恵でしょう。
しかし、最近は化学繊維の縁が主流になっています。
畳にはいろいろな素材が使われていることがわかりました。自分で考えてゴミに出すことが、意外に難しいと感じる方もいるのではないでしょうか。
しかし、落ち着いて考えればきちんとゴミに出すことができるはずです。それでも不安な方のためには、後ほど簡単な方法も紹介します。
畳を新しくする方なら、畳店に引き取ってもらうのが一番簡単な方法です。有料ですが、新しい畳を部屋に入れるとともに、古い畳を持っていってもらえます。畳はひとりでは運びにくい大きさです。枚数が多いときなどは、畳店にお任せすると良いでしょう。
料金は1畳2,000円くらいが多いため、畳の枚数が多いと経済的に負担になるのがこの方法のデメリットだと言えます。
畳を粗大ゴミに出すのもお勧めの方法です。多くの自治体では、畳は粗大ゴミにあたります。粗大ゴミを出すための手順は以下の通りです。
粗大ゴミには手数料がかかりますが、1畳1,200円程度です。畳店に引き取ってもらうよりは安いことが多いですが、自治体により金額も支払い方法も違います。事前にホームページなどで確認しておきましょう。
更に手数料を節約したいなら、自分で自治体のゴミ処理施設に持ち込むという方法もあります。ただ、自治体によって持ち込みにも予約が必要な場合がありますし、一度に持ち込める数に限りがある場合もあります。
杉並区の場合、持ち込みの場合の手数料は1品につき400円です。これはかなりの節約になるのではないでしょうか。
ただし、畳を粗大ゴミに出せない自治体もあります。自分が住んでいる地域では畳を粗大ゴミに出せるのか、まずは確かめるところから始めてください。
自分で畳を切って可燃ゴミに出すなら、費用はゴミ袋の代金くらいしかかかりません。慣れない方には畳を切るのは難しく、ケガをする恐れもあります。また、普通ののこぎりやカッターナイフではとても時間がかかりますので、電動のこぎりを用意した方もいるようです。
また、切った畳をすべてゴミ袋に入れ、一度にゴミ集積場に出すと回収されない場合があります。一度に大量に出るゴミは臨時ゴミといわれ、通常のゴミ収集とは別の収集が必要です。
収集には手数料が発生することもありますので、自治体に問い合わせておきましょう。臨時ゴミの定義は自治体によって違いますが、ごみ袋4つ分で臨時ゴミになる場合もあります。畳を切って可燃ゴミに出すなら、臨時ゴミに当たる可能性は大きいと思ったほうが良いでしょう。
畳の処分方法を3つ紹介してきましたが、とにかく処分を急ぎたい、畳の数も多いなら、不用品回収業者に依頼するのがお勧めです。不用品回収業者には料金が高いというイメージがあるかもしれませんが、実は畳の処分には最適です。
今まで紹介した方法は1畳につき2,000円程度という料金設定でした。しかし、不用品回収業者は1回の回収で10,000円程度という料金設定です。処分したい畳が多い方ほど、不用品回収業者を利用する方がお得だといえます。
他にも以下のようなメリットがあります。
畳の処分方法を全部で4つ紹介しました。普段はあまり存在感のない畳ですが、捨てようとすると意外に大変です。畳の性質上、買取もしてもらいにくいため、売却して処分というわけにもいきません。
処分に1畳2,000円程度の費用がかかることを、仕方がないと思うかもしれませんが、それでは畳の枚数が多いほど負担が増えます。それならば、不用品回収業者に依頼してしまった方が、金銭面だけでなく心身ともにラクでいられるはずです。
畳は処分までの間、外に放置しておくと雨などの水分を吸い込む場合があります。そうすると、処分のための費用はさらに高くなるそうです。できる限り早く、自分にあった方法で畳を処分しましょう。そしてスッキリした気持ちで、新しい生活を楽しんでください。