近年、自宅でDIYを楽しむ方が増えています。ペンキを使う機会も増えますが、ピッタリ使い切るのはなかなか難しいのではないでしょうか。
すぐに使う機会がなく、気がついたら固まって使えなくなってしまうことも多いかもしれません。そんなとき、ペンキの捨て方がわからないと、困ってしまいます。
本記事ではさまざまなペンキの捨て方を紹介します。ペンキの種類によって注意点も違いますから、まずはペンキの種類から知っていきましょう。
ペンキには大きく分けて2つの種類があります。それぞれの特徴を知っておくと、ペンキの捨て方で注意する点がわかるでしょう。注意点がわかれば最適な方法がとれるはずです。
主成分が樹脂と水のため、水で薄めることができるのが特徴です。取り扱いが簡単な水性ペンキは初心者向けといわれています。
乾燥時間が短くて済むことも初心者向けといわれる理由です。乾燥に時間がかかる冬でも乾燥時間は1~2時間です。名前に水性とついているため誤解する人もいるかもしれませんが、乾いた後は決して水に溶けることはありません。
主成分は樹脂とシンナーです。シンナーを使っているため、独特の刺激臭があります。シンナーは吸い込むことで健康に影響があるため、油性ペンキを屋内で使うときには十分な注意が必要です。
水性ペンキに比べ、乾燥に時間がかかる油性ペンキは作業性が良くないと思われがちです。しかし、仕上がりが美しく、耐久性も水性ペンキよりも優れています。このため屋外で使うものを塗るのに最適です。
これまで紹介してきたように、ペンキには種類によってそれぞれ特徴があります。ペンキを捨てるためには、その特徴に合わせた注意が必要です。
注意をすることで健康や環境、そして安全を守りながらペンキを捨てられます。
水性・油性ペンキはどちらも古新聞や古布に染み込ませて捨てられます。
この方法をとるときは、袋が破けないように2~3枚重ねておくと安心です。袋の中に新聞紙を入れるときは吸い込みやすいようにちぎるか、クシャクシャにすると良いでしょう。
ペンキの量がほんの少しの場合は、新聞紙などに塗り乾かしてから捨てる方が簡単に捨てられます。
ペンキの量が多くて、上記の方法では不安だという場合には固化材を使う捨て方もあります。処分したいペンキに固化材を入れてかき混ぜ、固形になったら可燃ゴミとして捨てましょう。
固化材は水性・油性両方に使えるものを用意すると便利です。この両方に使えるタイプのもので油性ペンキを捨てる場合、最初にペンキに水を加えておく必要があります。水を加える分、ペンキのかさが増えるのです。
容器にペンキがたっぷりと入っている場合はあふれる恐れがありますから、注意が必要です。
固化材はそれぞれ違いがありますが、35gで400ml、500gで6Lのペンキを固形にできる製品があります。6Lのペンキなら固形化して捨てるための費用は2,000円ほどというわけです。
まず最初に注意したいのは周りを汚す恐れがあるということです。これは水性でも油性でも変わりありません。たとえ水性ペンキでも乾いたらそうそう落ちませんから、注意が必要です。
もう1つ注意したいのが油性ペンキを処分する場所の換気です。換気に注意したい理由は下記のとおりです。
水性ペンキが乾くときは水が蒸発するだけですが、油性ペンキは水の代わりにシンナーが揮発します。換気の悪い室内で作業をしていると、体調不良や火災の原因になるかもしれません。
ペンキを捨てるために作業をするのは、風通しが良い屋外が望ましいです。念のため、高温になる場所、直射日光があたる場所なども避けてください。
水性ペンキは主成分に水が含まれているため、水で薄めることができます。油性ペンキに比べると刺激臭もしないため、身体に優しいイメージがあります。
このため、少量のペンキなら水で薄めて流すことで処分ができるといわれていました。しかし、水性ペンキには水以外にもさまざまな成分が含まれており、水質を汚さないという保証はありません。適切な捨て方を心がけましょう。
ペンキそのものは横浜市や大阪市のように、ゴミとして受け入れていない自治体が多いです。大阪市は上記の通りに新聞紙などに吸わせれば可燃ゴミとして受け付けてくれますが、一度に大量に出した場合は粗大ゴミ扱いとなってしまいます。
自分が住んでいる自治体ではペンキを受け付けてくれるのか、すでに紹介した方法で可燃ゴミに出せるのかを前もって確認してください。
いろいろなペンキの捨て方を紹介してきましたが、忙しくてそんなことをしていられない、という方もいることでしょう。そんな方におすすめしたいのは、プロに任せる方法です。
容器に入ったままのペンキを渡すだけで処分が終わるため、自分ではほぼ何もしなくて済みます。ペンキが大量にある場合には、最適な方法です。
本記事ではペンキを回収してくれる2種類のプロを紹介します。
塗料の販売や塗装を行っている業者がペンキを回収してくれる場合があります。18Lのペンキを処分するのに3,000円ほど費用がかかります。しかし、固化材を買って自分で処理した場合でも、同じくらいの費用がかかるはずです。
自分で処分をするときの手間と時間を考えると、塗料専門業者に依頼するのは良い方法ではないでしょうか。
自分で処分をしたくないけれど、塗料専門業者が近所に見つからない場合があります。そんなときには不用品回収業者に依頼するという方法があります。不用品回収業者に依頼することには以下のようなメリットがあります。
不用品回収業者では、軽トラック1台分の不用品を片付けて10,000円程度という料金設定になっています。
ペンキの処分だけでは料金がもったいないと感じられるかもしれません。他に捨て方がわからないものがあれば、まとめて処分できる良い機会になります。
また、最近では買取をしてくれる業者が増えています。不用品回収業者への料金を買取金で相殺することもできますので、不用品回収業者に依頼するとかかる料金は一層手頃になっているのです。
捨て方ばかりを紹介してきましたが、ここで保管方法を見直してみましょう。上手に保管すれば、次に使える可能性が高くなり、結果としてペンキを捨てることが減るかもしれません。
キチンと拭き取らないと蓋が閉まらず、ペンキが乾燥して固まってしまい、使えなくなるかもしれません。また逆にフチについたペンキが固まって蓋が取れなくなる恐れもあります。
どちらにしてもペンキが使えなくなり、捨てることになります。基本的なことですが、フチについたペンキはキレイに拭き取る習慣をつけましょう。
容器のフチについたペンキを拭き取るのは、蓋をキチンと閉めてペンキの乾燥を防ぐためでした。
油性ペンキの場合、さらにやって欲しいのが、ペイント薄め液をペンキの表面に流し込むことです。これは乾燥を防ぐためなので薄く表面を覆えれば良いでしょう。もちろん、蓋を閉めるのを忘れないでください。
今までもキチンと閉めていたつもりだったかもしれませんが、どうすれば蓋をキチンと閉められるのかをここで考えてみましょう。
ここまでやらないとペンキの蓋はしっかりと閉まりません。逆にここまでやれば次に使える可能性が高くなり、ペンキを捨てることも減るでしょう。
ペンキの品質を守るため、そして思わぬ事故を防ぐためには保管する場所にも気を配る必要があります。
以上3つがある場所はペンキの保管場所としては不適切です。
ペンキは適切な場所と方法で保管をすれば1年くらいは大丈夫だといわれています。しかし、水性ペンキは含まれている水が腐るため、保管できないと明言しているペンキメーカーも存在します。
保管していたペンキはなるべく早く使うこと、また、使う際には自分の目で見て大丈夫かどうかを判断することも大切です。
ペンキの捨て方をいろいろと紹介してきました。ごく少量のペンキが残ったら自分で処理をした方が早く、簡単に処分できます。
しかし、ペンキの入った一斗缶がいくつも残っているという場合は、自分で処理をしようとしても費用と手間がかかってしまいます。
このようなときには、専門業者に依頼して処分をしてもらいましょう。不用品回収業者なら数が多く、どこの地域でも探しやすいはずです。
換気や火災の心配をすることもなくなり、捨て方に悩むこともなくなりますから、気もラクになるでしょう。残ったペンキをスッキリと処分できたら、一層DIYを楽しめるようになるはずです。