家庭菜園や趣味の園芸、農作業等で使用した土を捨てたいと考えたとき、処分の仕方がわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそも、土は捨てるべきなのか、疑問を感じる人もいるかもしれませんが、一度使用した土をそのままもう一度使っても植物がうまく育たないことがあります。
一度植物を育てた土は栄養バランスが崩れ、水はけが悪くなり、土の状態によっては病原菌や害虫が潜んでいることもあります。一度植物を育てた土は新しいものと交換するのが適切です。
また、日頃から家庭菜園や園芸をしない方でも、災害用の土のうの処分などをすることがあるでしょう。
このように土を捨てたい、処分したいといったシチュエーションは誰にでも起こりえます。しかしながら、土を捨てることは難しいとされています。では、なぜ捨てるのが難しいのでしょうか?
「土はどこにでもあるものだから、自宅の庭にある土を近くの空き地や公園に捨てても問題はないのではないか?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、土を自宅の敷地以外に撒くと、それは不法投棄となります。
例えば菜園や園芸で使用した土を公園や山などに捨てた場合、不法投棄とみなされ、廃棄物の処理及び清掃に関する法律により、「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金又はその両方を科せられる」可能性があります。
園芸や菜園で使用された土にはさまざまな異物が混入していると考えられるため、このような使用済みの土を廃棄した場合、不法投棄としてみなされる可能性があります。
ただし、土は自治体のゴミとして処分できないことが多いので、土を販売している店舗に引き取ってもらったり、自宅の庭に撒いたりして処分をしなければなりません。
一方で、土が処分できる自治体も存在していますが、一度に処分できる土の量は制限されており、少量しか捨てられないケースがほとんどです。
また、土は園芸に使用されているプランターごと捨てられるわけではありません。自治体での回収が難しい場合には、不用品回収業者に依頼して植木鉢ごと回収してもらうほうが効率的でしょう。
このように土の処分は難しいため、次になぜ土を自分で捨てることができないのか、その理由について紹介します。
家庭から出るゴミは可燃ゴミや不燃ゴミとなり、自治体に収集されます。
しかし、土はもともと自然にあるもののため、家庭から出るゴミとは扱われません。法律上でも土と砂のたぐいはゴミではないと定められています。
ですから土は分別できず、ほとんどの自治体では収集することができません。
実際問題として土は焼却して処分できませんし、ゴミを粉砕する機械を故障させることもあります。土はゴミではありませんので、収集をしていない自治体が多いものと考えられます。
土を捨てられない自治体が多い中、条件付きで収集してくれるところもあります。
このように収集してくれる自治体でも、捨て方は様々です。土を処分したいときはまず自分が住んでいる自治体のゴミ捨てのルールを確認すると良いでしょう。
東京都台東区のように自治体が率先して土を回収・リサイクルを行っているケースもあります。
回収日は月ごとに決められており、地区の住民は回収場所に1回20リットルまでの土を無料で持ち込むことができます。
回収された土は委託企業により、園芸用の土として生まれ変わり、イベントなどで無料配布されるということです。
土を回収していない自治体でも、連絡をすると土を処分してくれる業者を紹介してくれます。自治体からの紹介の場合、不法投棄などをおこなっている悪徳業者に依頼することになるといったケースも少なく、安心して利用できるため、土の処分へのハードルは下がるのではないでしょうか。
自治体で土の回収していない場合は、自身で処分方法を検討する必要があります。土の処分は大きく3つの方法があげられます。
家に庭があるなら、庭にまくのが最も簡単で早い処分方法です。ただ、処分したい土が大量である、マンションなどに住んでいて庭がない場合もあるため、誰にでもできる方法ではありません。
さらに、庭にまくときには、注意するべきポイントがあります。
自然のものだから、公園や山に土を撒いても良いと思う人がいるかもしれませんが、公園や山は国や自治体が所有しているため、勝手に土を撒くことはできません。また、一度家庭で使った土は純粋な自然のものではなくなります。
勝手に公園や山に土を撒く行為は不法投棄にあたり、自然破壊につながる恐れもあります。
マンションなどに住んでいる場合は、敷地内の植え込みなどは共有部分になりますので、やはり勝手に土をまくことはできません。
例え自宅の庭であっても、土をまくことで埃がたつなど、他の家の迷惑になる可能性があります。また、土をまいた場所の色が変わって庭の見た目が悪くなる可能性もあります。
周りの家に配慮をしつつ、一箇所に土が偏らないよう十分に注意をしてまくようにしましょう。
土を庭にまいて処分できない場合は、購入した店舗に確認してみましょう。新しい土を購入するなど、条件付きで引き取ってくれる場合があります。
引き取りをしてくれる可能性があるのは以下のような店舗ですが、土を引き取るサービスをしている店舗は少数派のようです。
そして、あくまでも利用客へのサービスの一環として行っているところが多いため、引き取ってもらおうと店側に無理を言うのは止めましょう。
ホームセンターで土を引き取ると、自社サイトで明言しているのは以下の2店です。
両店とも新しい土を購入した後、新しい土が入っていた袋に古い土を入れて店舗まで運ぶ必要があります。
また、両店とも引き取りは無料ですが、ジョイフル本田では自分で土に混ざった石や砂利を取り除く必要がありますから注意が必要です。
念のため土を持ち込む前に、引き取りの条件を確認しておくと良いでしょう。
ホームセンターが遠い・閉店してしまったなどの事情があって店舗に土を持っていけない場合に、相談してみたい業者があります。
普段あまり縁がないため相談しにくいと感じるかもしれませんが、これから紹介するのは土に関しては信頼性の高い業者とされています。
家の外回り全般の工事を請け負うエクステリア専門の業者では、土を回収してくれるところがあります。
自分自身で土を土のう袋に入れるなどの手間はかかるうえ有料での回収となりますが、処分に困っている際には相談してみる価値はあります。
費用の相場は土のう袋に入った土・おおよそ20kgの場合は500円前後となっています。
家を建てるのに必要な材料を扱っているのが建材店です。家を建てるプロが利用する店ですから、入りにくいと思われるかもしれません。
しかし、建材店で一般の家庭の土を処分してくれる場合があります。
処分にかかる費用はエクステリア工事店同様、おおよそ20kgで500円前後ですが、石などが混ざっている場合はもう少し費用が高くなります。
また、重くて運べない場合は取りに来てもらうこともできますが、別途費用がかかる可能性もあります。
フリマアプリに似ているアプリで、地元の人と不用品のやり取りができるのが「ジモティー」です。ジモティーを利用すると状況によっては土を処分できます。
家庭菜園に使いたいなどの理由で土を欲しがっている人がいる場合、条件が合えばすぐに土を処分することができます。
運が良ければかなり大量の土を無料で処分できますが、相手のところまで自分で運搬する必要があるため、場合によっては手間がかかる可能性もあるかもしれません。
今まで紹介した方法には、デメリットもあります。
引っ越しなどの事情で家庭菜園や園芸を止めざるを得ない場合には新しい土を購入することができません。そのため、古い土を抱えて処分の方法に困ることになります。また、処分する土の量が多いとき、引っ越しまでに急いで処分したいときも店舗や自治体だけに頼るのは不安です。
また店舗や自治体に回収してもらうためには、土を自分で運ぶ必要があります。土は意外に重く、一般的なプランター1つでも10kgほどになる場合があります。一人で運ぼうとするとかなり大変なことになります。
また、土とは別に植木鉢やプランターも処分する方法を模索しなければなりません。
そのため、植木鉢やプランターから土を出して分別する作業が必要になります。これらのデメリットを回避するためには、不用品回収業者に土を処分してもらうのも1つの方法です。
不用品回収業者に土の処分をお願いすると、こんなメリットがあります。
不用品回収業者が土だけを引き取る場合、回収に必要な費用がかかりますが、ホームセンターなどに土を引き取ってもらう場合には新しい土を買ってさらに古い土をもっていかなければなりません。
そうした出費や手間を考えると、不用品回収業者に土の回収を依頼した場合の料金は気にならないでしょう。
土を専門に回収する業者は料金も良心的で、自宅まで引き取りに来てもらえます。
新しい土や腐葉土を混ぜて園芸用の土として使えるようにするため、ゴミにするのではなく土を土として生かし続けることになります。これは環境を守り、すべての人の未来をより良くすることに繋がるはずです。
土がゴミになることを防げれば、都市部に住んでいる人も気兼ねなく家庭菜園や園芸を楽しめるようになります。
ですから、土専門の回収業者は私たちにとってありがたい存在なのです。時間が許すならばこのような業者を利用するのも良い方法ではないでしょうか。
しかし、土の専門業者は数が多くないため、時期によっては処分できるまで時間がかかる場合もあります。また、プランターや植木鉢といった土以外のものを一緒に処分することができないケースもあります。
そのため、引っ越しなどで急いで土を処分をしたい場合には、使いにくいということになります。
本記事では、土の捨て方をご紹介いたしました。
土の処分は簡単ではなく、不法投棄は法的な問題を引き起こす可能性があります。自治体によっては土の収集が難しく、自宅で処分することも制約があります。
店舗に引き取ってもらう場合も条件があり、自治体や一部企業がリサイクルを行う例もあります。
不用品回収業者に依頼すると、重い土を運ばなくて良いなどのメリットがありますが、費用や条件を考慮する必要があります。
環境に優しい土の再利用を目指し、地域のルールを守りつつ適切な処分方法を選ぶことが重要です。
土の処分に関するお悩みは、お助けうさぎにぜひご相談ください。
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