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『もう着物は着ないから処分したい』
『着物をゴミとして捨てるのは抵抗があるけど、どうすればいい?』
着物は手入れ次第で長持ちしますから、若い頃の着物だけでなく、母や祖母から譲られた着物を持っている方も多いでしょう。着物を着る機会がないと、このまま持っているべきか考えてしまいますね。
処分をしたいけれど、高価でしかも思い出が詰まった着物を、ゴミとして捨てるのには抵抗感があるかもしれません。
そのような方のために、本記事では罪悪感なしに着物を処分する方法を解説します。自分に合った方法で、上手に処分をしてください。
最初に着物を売却できないかを検討します。処分しようとした着物に値段がつくことで、着物の価値を再確認できるでしょう。きっと着物を用意してくれた、母や祖母の気持ちが理解できるはずです。
ここでは着物を売却できる店舗を紹介します。
着物を売却するのにもっとも良いのが着物買取専門店です。メリットは以下の通りです。
通常のリサイクルショップと比べると、着物の知識が豊富なため、良い品物を適正価格で買取してくれます。草履や下駄、足袋など、着物の付属品まで引き取ってくれる店舗もあるため、遺品整理などが一気にはかどるかもしれません。
また、買取方法が選べるのは、着物を処分する方にとってとてもありがたいことです。
出張買取は手軽な方法ですが、自宅に見ず知らずの他人を招き入れるのに抵抗を感じる方もいるでしょう。実際に買取と偽って、高価な品物を安値で持っていってしまう「押し買い」が問題になったこともありました。
そのような不安を抱えた方にも、利用しやすいのが宅配買取という方法です。着物を箱詰めして送るだけで買取をしてもらえます。
買取のときには、値段がつかない着物が出てくるかもしれません。これを無料で引き取ってくれる店舗もあります。店舗を利用する前には、どのような扱いになるのか前もって確認しておくと良いでしょう。
リサイクルショップのメリットはこの一言に尽きるでしょう。
自宅の近所の店舗なら、持ち込みもしやすいでしょう。
しかし、着物の知識はないところが多く、適正価格で買取してもらえない場合もあります。大切な着物がただの古布として買い取られてしまわないよう、できれば着物の取扱のある店舗に持ち込むと安心です。
また、買取できなかったものは、基本的に持ち帰ることになっているリサイクルショップもあるため、前もって確認しておくと良いでしょう。
フリマアプリなどを利用して、自分の責任で着物を売却するというのも1つの方法です。メリットは以下の通りです。
早く、確実に処分をしたいなら価格を安く設定すれば良いし、時間がかかっても良いなら、高く設定するのも自由です。しかし、売却できるまでにどれくらいの時間がかかるのかはわかりませんし、売却ができないこともあります。
また、個人間のやり取りですから、商品に対するクレームが来るなど、トラブルに見舞われる可能性も忘れてはいけません。
着物を売却すると決めたなら、できるだけ高い価格で買取をしてもらいたいものです。
売却しやすい着物とはどのようなものか、自分でわかっていれば、あまりにも安い価格で着物を手放すことは防げます。売却しやすい着物のポイントは以下の通りです。
着物は多少サイズが大きくても、着付けで調節して着られますが、小さいサイズの着物は直さないと着ることができません。身長160cmの方にピッタリのサイズの着物なら、多くの人が着られるため、買取してもらえる可能性が高くなります。
着物の上から下までの長さを身丈といいますが、これが自分の身長とほぼ同じであればその人にピッタリのサイズです。身丈が160cmくらいの着物は買取してもらいやすくなります。
普段着物を着ない方でも、成人式の振袖は別でしょう。また、訪問着も着る機会は多い着物です。
反対に喪服や黒留袖は、最近着用する機会が少なくなっています。振袖や訪問着は買取してもらいやすいですが、喪服や黒留袖はそうではないということがわかります。
大島紬や加賀友禅など、有名な産地の着物は今でもとても人気が高いです。買取もしてもらいやすいのですが、これは着物に詳しくない方が見ても判別がつかない場合があります。着物の証紙を参考にするか、買取業者に判断を委ねましょう。
証紙とは、伝統工芸組合や織元組合が発行する証明書です。反物の端につけられていることが多く、仕立て上がった着物には、証紙がついた反物の切れ端が添えられます。
産地・製造元・織り方・染め方・原料・伝統工芸品マークなどの情報が証紙からわかるため、証紙がついている着物は買取にも有利です。
有名作家の着物は買取価格も高くなります。特に人間国宝である作家のものは高価です。作家は着物の一部分に落款という印を残しますので、それを見て誰の作品かを確かめてください。
加賀友禅の作家の落款はサイトで確認ができます。自分で確かめておくと、買取してもらうときの目安になるかもしれません。
落款は襟先の裏や衽の裏に残されていることが多いです。衽は「おくみ」と読みます。着物の前身頃の端、襟の下部分の約18cmの細長い部分の名称です。
着物を寄付することも、処分方法の1つとして考えてみてください。送料などは負担しなくてはいけませんが、着物の寄付には大きなメリットがあります。
もし譲られた着物を処分するとしても、寄付により、その着物は以下のように誰かの役に立つわけです。
着物を譲った方、譲られた方のどちらも納得できるのが寄付という方法なのかもしれません。
着物は着ないけれど、手放したくない場合、リメイクという方法もあります。着物はワンピースなどの洋服、バッグやポーチなどの小物にリメイクできるのです。ミシンを持っている方なら、費用もほとんどかからないでしょう。
着物だと着る機会が限られていますが、バッグなどにリメイクすれば毎日のように使用できます。着物にとっても、しまいっぱなしにするより良いのではないでしょうか。
着物をリメイクするための書籍も販売されていますが、インターネット上にも型紙や作り方が公開されていますので、参考にしてください。
自分では難しいという方も専門店を利用すれば、着物のリメイクが可能です。バッグなどの小物類なら10,000円以下の料金ですから、思い出を手元に置いて活用することができるでしょう。
着物の処分だけに時間を使えない事情がある場合は、不用品回収業者に依頼してみましょう。
不用品業者には以上のようなメリットがあるため、遺品整理や生前整理をしている方、着物の量が多く、タンスごと処分したい方には最適です。逆に1回の収集で10,000円というふうに料金設定をしている業者が多いため、着物だけの処分では割高になってしまいます。
不用品回収業者のメリットを踏まえて、上手に利用すれば、たくさんの着物の処分も苦労せずに終わらせることができるはずです。
今まで解説してきた方法が使えない方は、自治体で着物を処分することになるでしょう。着物を処分できる方法として考えられるのは、以下の2つです。
ここでお勧めしたいのは、資源ゴミに出すことです。集められた資源ゴミの中から状態の良いものを選んで、格安で販売している自治体があります。
自治体の施設内にそのような品物の販売コーナーを設けて、着物や反物、帯地などを販売している自治体もあるのです。
資源ゴミに出した着物がすべて再利用されるわけではありませんが、誰かの役に立つ可能性がある限り、着物は資源ゴミに出す方が良いでしょう。
資源ゴミの出し方については、各自治体で違いがあります。また、自治体によりリユース品販売のシステムも違いますので、必ず自治体のホームページなどで確認をして、納得の上で着物を処分してください。
着物の処分方法を8つ紹介しました。まずは自分の納得できる方法を選んでください。着物は高価だったことだけでなく、それをあつらえてくれた母や祖母の気持ちがこもっているため、処分に二の足を踏む方が多いです。
しかし、着ない着物を持ち続けることは、大きなデメリットになります。着物には専用のタンスや衣装箱が必要ですし、着ないからといってずっとしまいっぱなしにはできません。虫干しなど、着物の世話ができないなら、処分をするしかないのです。
ですから、最終的に着物をゴミとして処分することになったとしても、自分を責める必要はありません。
どのような形であれ、自分が納得して、後悔しないで着物を処分するために、本記事を参考にしてくだされば幸いです。